公務員は安定した職業と言われています。
就職が決まれば、周囲はもちろん自分の将来も保証されたようなもの、と思っている人も多いのではないでしょうか。
しかしその安定性は、必ずしも約束されたものではない、というのが現状です。
そんな時、もし自分が将来独立して仕事をしていくためには、資格があれば自分お力で何とかなる税理士への第一歩として税理士法人への転職も選択肢の一つに加えてみてはどうでしょうか。
そこで今回は税理士法人への転職と年収について、公務員と比較しながらご紹介します。
公務員が税理士法人へ転職するのは難しいのでしょうか
結論からお話しすると、「絶対に無理」と言うことはありません。
この転職を考えているときの自分は公務員という安定した職についており、普通に生活をするだけであればなに不自由なく過ごせているかもしれません。
その安定した公務員という職業を捨てて、あえて税理士業へ転職する必要があるのかどうか。
転職に踏み切ることができるかどうかと言う点だけなのです。
もちろん転職すると決めたのであれば、有意義なものになるように準備をしなければなりません。
公務員と税理士法人の違いとは
さて転職を考えるにあたり、公務員と税理士の違いを知っておく必要があります。
転職したものの「こんなはずじゃなかった」と言うのでは困ります。
一番間違ってはいけないのが、税理士は資格が必要という一点に着目しすぎる点がありますが、税理士業界はサービス業であり、今やその生き残りをかけた下克上の時代とも言えます。
税理士事務所に面接に来られる人の中には、「将来独立したいです。
」「今資格取得のために勉強しています。
」と言う内容をよく耳にします。
きついようですが、そのようなことは当たり前なのです。
では何が他に重要となってくるのでしょうか。
それは「コミュニケーション能力」です。
これを聞いて当たり前と思っている人は問題ないでしょう。
しかし中には、「税金の計算だけしているにではないの」と大きな間違いをしている人がいるのです。
ここが理解できなければ税理士業界への転職は、間違いなく失敗に終わります。
安定した公務員から転職する意味とは
今ある職を捨て新しいことにチャレンジをする。
この熱意は面接の時に十分なアピールポイントとして活用できます。
しかしそれだけではありません。
面接でよく聞く内容は「顧問先の社長とこれからこの会社をどうしていきたいかと言う将来について、少しでもお手伝いがしたい」と言う内容です。
税理士への転職を果たし顧問先の発展のために必要になるのは、もちろん数字の分析も必要ですが、それを聞き出すだけの能力が必要となるのです。
正直な話をすれば、数字の分析だけであれば慣れれば誰でもできます。
差が出るのは聞き出す力、つまり「コミュニケーション能力」なのです。
公務員は、毎日悩みを抱えた人たちや、決まった人たちとのコミュニケーションがメインです。
突然銀行マンが現れて、「お金を借りてもらえませんか」などと言う相談に乗ることはありませんが、税理士は当たり前のようにあります。
もちろんその逆で、貸してもらえませんか、と提案しなければいけない時もあります。
いずれにせよ、会話ができなければいけません。
しかも仕事の上とはいえしっかりとした会話のやり取りができなければ、顧問先にもこの人で大丈夫か、と言う不安を与えます。
最近はここを理解できず、転職後に苦労する税理士事務所経営者の方や転職された方の話をよく聞きます。
そう、お互いにミスマッチが生じているのです。
税理士法人へ転職することのメリットは
ではそのようなコミュニケーション能力を重要視する傾向がある税理士業界に転職するとことのメリットとは何があるのでしょうか。
誰もが知りたいのはその年収ということができます。
公務員は安定こそしていますがこのご時世、なかなか昇給を見込むことができません。
転職を考え始めた理由にそこをあげる人は少なくないのです。
簡単に言えば、税理士へ転職をしたその時は、年収が低いかもしれません。
しかし自分が頑張れば給与を増額させることに直結する仕事ができます。
それがまず公務員と税理士業界の差です。
そして最近多い税理士法人と個人事務所の違いです。
税理士法人はその名の通り法人とつきますから一般の民間企業とさほど大きな差はありません。
税理士として個人事務所を経営したとしても給与は個人の所得として通常適用できる給与所得控除が活用できません。
単純に同じだけ給与をもらうのであれば、個人事務所を開設するよりも手取りが多くなることがわかります。
また法人であれば支店を持つことが許されるので商圏が広がります。
これはその事務所大きく発展させていくための物理的要因として重要な点だと言えます。
公務員と税理士法人、どちらの方が年収は高い?
公務員の全国平均年収は584万円と言われています。
もちろんこれは平均ですから、もっと年収の高い人もいれば低い人もいます。
また年齢によってもその差は生まれてくると言えます。
一方で税理士の平均年収は470万円と言われています。
一見すると非常に低い年収のように感じるかもしれません。
しかしこの年収は、有資格者が転職して初めてもらう年収の平均であり、勤続年数や経験などで必ずしもこの年収とは限りません。
もっとわかりやすく言えば、有資格者で転職した場合の最低年収と考えればわかりやすいのではないでしょうか。
もともと公務員は雇われていると言う点があり簡単に昇給が見込めるものではありません。
それにひきかえ税理士は、独立すれば自分の努力次第でいくらでも年収を増やすことが可能な職業なのです。
この環境の差を考慮すると年齢や勤続年数など全く同じ条件で比較することが可能であれば、税理士法人の方がより年収が高くなる可能性は否めないのです。
税理士法人勤務の有資格者と職員の年収は?
税理士法人勤務の有資格者と職員では同じ年齢で同じ経験年数だとすると約30万円から50万円の差が生まれると言われています。
有資格者の場合、たとえ経験がなかったとしてもその段階で資格級が付与されます。
この資格級の金額は、転職する先の税理士法人でまちまちで一定額で決まっているものではありません。
新設法人ともなると場合によっては雀の涙程度かもしれません。
しかし職員と比べればその手当がある場合とない場合で差が生まれてくるのは自ずとわかることなのです。
同年代の公務員と税理士法人勤務の年収の違いとは
公務員は新卒採用で就職するケースが多く転職ともなるとあまり身近にあるものではありません。
しかし税理士法人勤務者の多くは転職経験者がほとんどです。
もともと自分が独立したときのために、多くの方法を身につけようと短期間のサイクルで転職を繰り返すことが珍しくない業界です。
一方で勤続年数が物を言い他方は実力の世界ともなると比較をすることがなかなか難しいのが実態です。
しかしこれだけは言えます。
それは税理士法人勤務の方が真の実力者にとっては高い年収が狙えるのです。
ちょっとした顧問料の増加が簡単に年収の増加につながることも珍しくありません。
そう考えると、税理士法人勤務者の年収が公務員よりも高くなるのは納得がいくところです。
まとめ
公務員の安定性を求めれば、税理士法人では少し不安かもしれません。
しかし自分の力で切り開くことができ、達成度が年収として返ってくるのが税理士法人です。
貪欲に年収アップを狙うのであれば、税理士法人への転職は外せないポイントです。