人を人として扱わず、従業員の心や体を壊すブラック企業。
中には、詐欺行為や強引すぎる営業を行うような、超ブラック企業も存在します。
また、ブラック企業を避けるには、入る前の求人や面接の段階から察する必要があります。
今回は、ブラック企業にありがちな特徴11個と、事前に見分ける方法について紹介していきます。
特徴別ブラック企業、4大パターン
一概にブラック企業といっても、様々なブラック企業もあります。
中でも、とりわけよくある特徴として4つに分類することが出来ます。]
- 休日が取れない、長時間労働が激しい
- 待遇が悪すぎる
- 簡単な仕事しかさせない
- 精神的につらい、社風が最悪
それぞれ、しんどさの種類が違うため、分けて考えたほうが良いしょう。
では、順番に見ていきましょう。
①.休日が取れない、長時間労働が激しい
ブラック企業と聞いて、一番に思いつくのが、このパターンです。
有給休暇が出なかったり、深夜まで残業、休日がないなど、体力的にキツイのが特徴です。
慢性的な人手不足が原因の場合が多く、少子化が進む中、さらにブラック度が加速していく事が予想されます。
また、会社の問題ではなく、業界全体がブラックの場合が多いです。
時間外労働が長すぎる、休日がない
時間外労働が長すぎるのも、よくあるブラック企業の特徴です。
また、有給休暇が取れなかったり、それどころが休日出勤があったり、深夜を超えて残業させる企業もあります。
ただ、この場合、その会社がブラックというより、もうその業界自体がブラックになるしかない、という場合もあります。
少子化や、給料を上げることができないなどの理由から、業界ごと人手不足が深刻になり、結果的に、薄給で長時間労働をせざる得ない状況にあるよう会社は多いでしょう。
その場合は、もう会社選びというより、業界自体を考えなおす必要があるかもしれません。
宿泊、飲食業界
やはり、飲食業界はブラック業界として知られており、実際に労働環境下で働いてる人が少なくありません。
人手不足の中、ほとんどの業務を人で回している事もあり、労働時間、給料ともに、非常にブラックになりやすいです。
それは、個人やその会社が悪いというよりは、業界全体がブラックにならざるを得ないと言えるでしょう。
また、クレーム対応などの、接客業ならではストレスも多く、休日出勤が多いなどの特性もあります。
同じことがホテル業界にも言えるでしょう。
トラック運転手
トラック運転手というのは、長時間労働、深夜労働、人手不足、などから非常にブラックになりやすいようです。
- 拘束時間が長い
- 深夜労働が多い
- 時間ノルマが決まってる
- スピード違反で、クビのリスク
- 死亡事故のリスク
慢性的な人手不足の中、このような理由から、かなりブラック企業が多いのが特徴です。
また、長距離トラックだけでなく、「配達業界」も、まだ体育会系の気質が残っている事が多く、ブラックな事で有名です。
②.待遇が悪すぎる
人を人として扱わず、いかに従業員を低賃金で働かるかだけを考えている企業です。
あらゆる理由をつけて、サービス残業、休日出勤、給料の減額をしてきます。
残業代が出ない
残業時間が長いにも関わらず、残業代が出ない会社はブラック企業です。
そのようなサービス残業が横行している会社は、ブラック企業と言えるでしょう。
中には、名ばかりの管理職をつけて、残業代を払わないように法律をかいくぐる企業までもあります。
最低賃金以下
残業時間と共に、ブラック企業で問題になるのは、給料の低さです。
確かに、行動経済成長期には、「企業戦士」「モーレツ社員」などという言葉があり、今よりも過酷な働き方も存在していました。
しかし、それにはそれ相応の対価や報酬があった上での事でした。
今のブラック企業は、業務が激しい上に、給料が安いという、最悪の状況にあると言えるでしょう。
もちろん、最低賃金以下は法律違反です。特に、正社員でも、時給換算をすると最低時給を下回る場合もあるようです。
③.簡単な仕事しかさせない
永遠に単純作業をするだけの仕事が一番つらいかもしれません。
工場などのライン作業や、ひたすらデータ入力など、簡単な仕事をしかさせてもらえないパターンです。
また、華やかそうなイメージや、求人の文言とはかなりギャップがある場合も多く、注意が必要です。
テレアポしかさせない
広告代理店の法人営業!や、オフィスIT化のコンサルティング営業!などと歌って、実際は、永遠にテレアポだけをさせられるような事もあります。
昇給や、昇進なども一切なく、毎日120件以上も電話をして、ひたすら、紙を読むだけ、断られるのだけの仕事は非常につらいでしょう。
テレアポ代行の求人だったり、そもそもテレアポ専門で採用しているようなところもあるので注意が必要です。
最底辺のIT土方
IT業界は、非常にブラックになりやすいです。
その中でも、IT業界のヒエラルキーの最下層で働く労働者のことを「IT土方」と言います。
「未経験からエンジニアに!」などの求人に騙されて、一切キャリアアップが見込めない、ひたすらデータ入力したり、テスト業務(デバック)をなどを永遠させられるような職場もあります。
特に、Sler系と呼ばれる大きなシステムの場合、建設業なみに外注、下請けが横行しており、最底辺は、非常に給料も安く残業も多いようです。
そもそも、もうすぐ要らなくなる、会社内部でやりたくない仕事だから外注に出すわけで、急にその技術が使えなくなる可能性は非常に高いです。
④.精神的につらい、社風が最悪
残業が多い、有給が取れない、などもブラック企業の要素ですが、それとは別に激しいノルマや強引な営業など、精神的にしんどいというパターンもあります。
特に、やけに精神論が多い会社などは注意が必要です。
恫喝や、人格否定、パワハラの横行
今でも、パワハラが横行しているような企業は少なくありません。
体育会系などと言い、激しいノルマに人格否定、横行する違法行為など、そのような環境で働くと、体はもちろん「心」も壊してまうでしょう。
中には、新卒1年目の状態で自殺してしまうほどひどい場合もあり、よくニュースになっています。
詳細を調べると、信じられない業務過多やパワハラが横行していた場合が多く、知れば知るほど怒りが湧いてきます。
年間に3万人も自殺するこの国は、どう考えてもおかしいと言えるでしょう。
強引すぎる営業
ノルマが過酷すぎたり、上司からの怒鳴りつけられるなどの恐怖から、強引すぎる営業をせざる負えないケースもあります。
「いつもお世話になっています」などの嘘から始まり、一切顧客の利益にならないサービスや証券をムリヤリ売りつけたり、シンプルに人としてしんどい事をやらされるのは、人によっては過酷な残業よりもきついでしょう。
また、NHKの集金の営業や証券会社の営業など、よく聞く大企業でも信じられないような営業が、ネット上にも数々出てきます。
元役所である「かんぽ生命」などでも、社員のノルマのために、郵便局を信用している高齢者を狙い、一人に何件も契約させたり、嘘をついて無駄なオプションを大量に追加するなどの不正販売が横行しており、大きくニュースになりました。
自爆営業
この世の中には、自爆営業というものが存在します。
厳しいノルマ設定の中、販売目標に達しなかった社員が、その差額を自分または身内に買わせて、ムリヤリ合わせるというやり方です。
大手企業どころか、郵便局などでも横行しているようで、薄給の上、更に給料が減るなど、かなり地獄のようです。
詐欺に加担させられる
ノルマがキツかったり、残業が多くても、自分が売る商品が社会の役の立つ自信がある場合は耐える価値が見いだせるかもしれまん。
が、何の意味もない商品を嘘をついて売りつけたり、明らかに高い値段で何もしらない人に売りつける「情弱ビジネス」の場合は、しんどい上に、やりがいも見いだせないでしょう。
私も昔、アルバイトで入った会社で、横にいる電話営業の社員が、永遠に嘘をつき続け、高額な集客商品を売りつけているのを見て、耐えられなくなり、一ヶ月で辞めた記憶があります。
また、出会い系サイトのサクラをする会社や、WEB制作の会社のように見せかけて、ワンクリック詐欺のページを作らされ、本当に詐欺に加担させられるケースもあるようです。
従業員でも逮捕される事もあるようなので、気を付けましょう。
特集:ブラック化しやすい営業5選
激しいノルマなど、精神的にもキツク、ブラック化しやすい営業ですが、その中でもさらに過酷になりやすい営業の特徴をまとめてみました。
下請けの営業
営業の中でも、本社勤務ではなく、下請けの営業は非常にキツイ傾向にあると言えます。
とくに個人向け通信や、携帯回線の営業などでは、本社の関西支部の孫請けのさらに下の営業会社なども存在しており、上から数字がどんどん詰められて、現場では恐ろしいノルマになっており、かなり過酷な状況のようです。
また、下請けの中でも派遣方式を取っているような会社に就職した場合は、急に違う店舗に異動になったりする事も多く、精神的には非常つらいようです。
NHK集金人
高卒でも窓口が広く、誰でも入れるという事で、意外と求人の多いNHKの集金人ですが、実態はかなり地獄のようです。
借金の取り立てをやっているような会社がやっていたり、かなり強引な営業が横行しているようです。
インターネットで少し検索するだけで、信じられないような動画や、口コミが無限に出てきます。
最近では、「NHKをぶっこわーす!!」などと、かなりイメージも悪く、これからさらに嫌われていく事でしょう。
そのため、再就職が困難だったり、非常に危険です。
NHKの集金人にだけはならないようにしましょう。
金融、投資用不動産
大企業が多く、営業の花形のようなイメージのある証券会社や銀行ですが、現実はかなり企業体質が古く、かなりブラックな会社が多いようです。
特に証券会社は、数字を取れないと地獄のようで、耐えられずに辞める人が非常に多いようです。
また、商材の内容も、顧客の利益にならない場合が多く、給料以外のやりがいを感じるのは難しいようです。
個人営業
やはり、個人営業は法人営業にくらべて、比較的ブラックになりやすいと言えます。
今では、インターネットで情報をすぐに調べることが出来る上に、その場で購入までできてしまします。
これからドンドン、通販やインターネットにシェアが移り、さらに厳しくなっていくでしょう。
また、大きい商材の法人営業などと違って、ある月で大きな成果を出せたとしても、次の月にはリセットされ、結果を出し続けなければならないという特徴もあります。
外回り、飛び込み営業
インターネットや、通販がこれだけ普及しているこの時代に、今だに外回りや飛び込み営業をしている会社もまだ存在しています。
外を回るという事がキツイだけでなく、急に押し掛けるわけですから、断られ方も非常に激しい場合が多いようです。
事前にブラック企業を察する方法
ブラック企業に入るのを避けるには、事前に見分ける必要があります。
では、面接や、求人から、ブラック企業を察するポイントを見ていきましょう。
面接
やはり、実際に選考で面接を受ける際、ブラック企業がわかる場合が多いです。
面接をの際、ブラック企業を見抜くべくチェックするポイントを見ていきましょう。
オフィスが汚い
面接の際は、必ずオフィスを見て帰りましょう。
職場の環境というのは、本当に働いている人の精神状態が現われます。
働いてる社員の雰囲気や、実際の業務の内容など、オフィスを見るだけでかなりの事が分かります。
社長室がやけに豪華だったり、やけにスローガンが張っていたり、その会社の色が現われるので、オフィスを見ないで就職するのは辞めましょう。
特に、オフィスが異常に汚い場合は、ブラック企業の可能性が高いので避けましょう。
なぜかオフィスを隠す
このように、オフィスというのは、会社の雰囲気が直接伝わるので、面接の際に、隠してくるような会社もあります。
「今日はちょっとオフィスが一杯だからカフェで。。。」などといい、どうにかオフィスを雰囲気を見せないようにしてくるのです。
特に中小企業などでは、入り口と面接室だけがむちゃくちゃキレイで、実際のオフィスはすごく汚いパターンがあったります。
面接の際、不自然にオフィスを見せてくれない場合や、なぜかカフェでの面接だったりする場合は、なにか隠したい光景があるのかもしれません。
「オフィスを見せてください」と言ってみましょう。
募集要項と、条件が違う
基本的に募集要項には良い事ばかり書いてあります。
求人の広告をみて、応募し、実際に面接をしてみると、実際に提示された応募要項と違う条件を言われる場合もあります。
少なからずギャップがあるのは普通ですが、雇用形態や、給与などのような重要な部分で嘘をついてる企業は就職しないようにしましょう。
面接官の印象が悪い
面接官というのは、その会社で裁量権が大きく、仕事ができる人が担当します。
その面接官が「嫌い」だったり、「一緒に働きたくない」と感じる場合は、その会社はあっていない可能性が高いです。
また、面接官というのは、比較的会社の中でも、印象の良い人が行う場合が多いです。
その面接官の印象が悪い場合は危険だと言えるでしょう。
地雷の求人
求人の段階から、ブラック企業を見抜くポイントも見ていきましょう。
仕事内容が良く分からない求人
求人を見た時点で、仕事をイメージできる事が大切です。
例えば飲食の社員など、業務時間が大幅に伸びる事があらかじめ想像できる状態で応募するならまだ問題ないですが、中には求人広告で業務内容が全く想像できないようなモノは注意が必要です。
また、意味不明なカタカナ語を使い、業務内容を誤魔化しているパターンもあります。
- ソリューション営業 → 飛び込み営業
- オフィスIT化のコンサルティング営業→ コピー機の営業
- テレフォンアポインター → ひたすら電話営業
- 幹部候補生 → ただの店員
- ハウスメンテナンスアドバイザー → 住宅の押し売り
やる気!情熱!夢!のような精神論が多い
求人の広告に、「夢を叶える!」や、「やる気!情熱!」などよく分からない精神論フレーズが並んでいる求人はアウトです。
基本的に、精神論が多い会社はブラックです。
そもそも求人広告とは、そのような精神論を書く場所ではありません。
あまり載せたくない実際の業務内容を誤魔化すために、なぞの精神論を書くような会社は危険です。
正社員だけど、「客先常駐」
求人広告に「客先常駐」文字がある場合は注意が必要です。
IT系のエンジニアなどでよくあるのですが、雇用形態は正社員として採用されるが、実際は他の企業に派遣されて、実質「派遣社員」と同じように、働くパターンが存在します。
正社員にこだわりのある方は、注意が必要です。
ブラック企業の対処法
逆にチャンスと捉える
今は地獄かもしれまんが、逆に考えば、チャンスかもしれません。
例えば、次の仕事を探す際、
「こんなブラック企業で、1年耐えました。」
と言えたら大きなアドバンテージにります。
次の会社の人事担当も「あそこの業界で、1年耐えれたなら、うちでも絶対やっていけるだろう」と考えるかもしれません。
もうブラック企業なのは諦めて、しっかり期限を決めて、耐えてみるのも選択肢かもしれません。(体、心を壊しそうな場合は絶対NG)
すぐに退職する
自分の限界を明らかに超えている場合は今すぐ辞めましょう。
今すぐ飛びましょう。
もし、それが出来ないなら退職代行サービスなどを使う手もあります。
特に、日本人は我慢強く、最後まで耐える傾向にあるので、本当に注意が必要です。
普段元気な人ほど、急にうつ病になったりします。日本の年間の自殺者数は3万人です。
そんな企業でのキャリアなど将来的に役に立つこともないでしょうし、なにより心や体が壊れたら本当に終わりです。
今すぐ辞めましょう。
とりあず内定をもらう
今すぐ転職活動を初めましょう。
「転職できる」や、「退社しても大丈夫」などその会社で耐える以外の選択肢を持つことで、心の余裕が大きく変わってくるしょう。
また、逆にその会社に残る、という選択肢も取れるので、とりあえず転職活動を始めてしまうと良いでしょう。
転職前提で働けば、そのブラックな環境も、少しはマシに感じる事が出来るでしょう。
仕事内容をイメージできないなら転職しない
そもそも、ブラック企業には、入らないようにするのが一番でしょう。
その為にも、
- 仕事内容をイメージできないなら転職しない
- 口コミサイトを見る
- 複数の転職エージェントに相談する
- 事前にしっかり調べる
まとめ
このように、世の中には様々なブラック企業が存在します。
中には、NHKの集金人や、詐欺会社のような超ブラック企業も存在します。
転職の際は、仕事内容がイメージできない求人は応募せず、事前にしっかり調べるなど、慎重に行うようにしましょう。