転職サイトにも空求人は含まれているのか?

1.総合人材-スマホをもっている男性 転職ノウハウ

転職を検討している人の多くが転職サイトや転職エージェントなどを利用して社員を募集している企業を見つけ、その企業に応募をして採用試験を受けるといった手順で次の仕事先を見つけます。

ところがせっかく魅力的な求人を見つけたのに何回その企業に応募しても書類選考にすら受からない、といった事態に陥ることもあります。

もしかするとそれは空求人かもしれません。

空求人とはどのような求人か

まずは空求人の定義について理解しておきましょう。

空求人とは企業側が実際には新しく社員を募集する気が全くないのに求人サイトに掲載している求人広告のことを指します。

空求人が多い所としてよく知られているのがハローワークです。

ハローワークは広告を掲載するにあたって費用が一切かからないため中小企業が社員を募集するのにはとてもありがたい求人方法なのですが、企業の中にはタダで掲載できることをいいことに、さまざまな理由で空求人を掲載している事があります。

空求人に応募してしまうとさまざまなデメリットが

空求人は就職しようと一生懸命仕事先を探している求職者や転職希望者からすれば迷惑以外の何物でもありません。

空求人に応募してしまうことによってたくさんのデメリットが生じます。

特に仕事をしながら次の仕事先を探すことも多い転職希望者は空求人に応募することは極力避けておきたいところです。

時間や労力が無駄になる

仕事を探している人は気になる企業が見つかれば、まず書類審査に合格するために時間をかけて履歴書を作成し、企業側に送付します。

しかし空求人を掲載している企業側は採用する気が全くないので提出した書類は全て不合格になります。

もしかするとその間に自分にとって魅力的な別の企業を見逃しているばかりか、すでにほかの求職者が採用されているかもしれません。

このように考えると空求人に手を出してしまうと時間と労力が無駄になってしまうといえるでしょう。

転職活動が長期化

無駄なことに時間を費やすことによって結果的に転職活動や求職活動は長期化していきます。

仕事をしながら転職活動をしている人はまだ良いのですが、退職後に転職活動をしている人にとって、転職活動の長期化は毎日の生活にさえ影響を及ぼす深刻な問題となります。

じっくり自分に合った仕事先を探すつもりが貯金が少なくなってとにかく早めに仕事先を見つけなければいけなくなってしまい、不向きな仕事先に転職してしまうというケースも珍しくありません。

最終的にストレスから転職をあきらめてしまう人も

一生懸命履歴書を書いたのに送付した書類がことごとく不採用続きになり、転職活動が長期化すればストレスもどんどん溜まっていきます。

運悪く空求人にばかり応募して不採用が続くと自分に対しての自信もすっかり失ってしまうでしょう。

場合によっては転職活動が辛くなり、転職活動自体をあきらめてしまう人も出てきます。

企業が空求人を掲載する理由

求職者からすれば採用する気もないのにどうして求人広告を掲載するのだろうと疑問に感じるのではないでしょうか。

企業が空求人をハローワークや就職サイトに掲載するのには以下のような理由があります。

求人情報を掲載する媒体が企業側に頼んだから

転職サイトは登録者が増えたり転職サイトに掲載されている広告を自分の転職サイトにアクセスした人がチェックする事によって利益を得るシステムになっています。

つまり転職サイトが利益を得るためには自分のサイトにアクセスしてもらう人や、自分のサイトに登録してくれる人を増やす必要があります。

サイトのアクセスを増やすのに最も有効な方法が、多くの人が魅力的だなと感じるような求人を1つでも多く掲載することです。

特に誰もが知っているような超有名企業の求人が突然掲載されれば応募者が殺到するでしょう。

応募者が殺到することは直接サイトを運営している側にとっては大きな利益を得られるチャンスとなります。

自分の利益を上げる理由で有名企業などに人員を募集する気が無くても求人を掲載してくれないか頼んだりすることがあるのは事実です。

自分の会社の宣伝になる

先ほどは転職サイトを運営している側が企業側に求人広告の掲載をお願いするケースでしたが逆のパターンもあります。

企業側からすれば多くの人が閲覧する転職サイトに自分の会社の求人を掲載することによって自分の会社のことを知ってもらうことができます。

ただ単純に求人の募集をするのではなく、その資料の中に閲覧した人が魅力的だと感じるような企業の広告を同時に掲載し、自分の企業に対して良いイメージを持ってもらうことを最大の目的としています。

自分の企業に対して誰かが良いイメージを持ってくれ、それが口コミなどで広がったりすれば企業イメージはどんどん上昇していくでしょう。

長期的に求人を掲載することで本当に優秀な人材を見つけることができる

もう1つ、早急に新しく人員が欲しいわけではないものの、優秀な人材が自分の会社に興味を持ってくれれば即時採用する、という目的で求人情報を記載している企業も存在します。

この場合厳密には空求人ではありませんが、企業側の要求を満たすことができるような人材でなければいくら履歴書を送っても採用してもらえないので、人によっては空求人と同等の扱いになるでしょう。

優秀な人材を獲得することが目的で求人情報を長期的に掲載する場合、転職サイト側にとっても魅力的な求人広告が長期的に掲載されることとなって単純にアクセス数や登録者数が増えるというメリットがあります。

空求人を見分ける方法とは

以上のように空求人には掲載する側にはいろいろなメリットをもたらしますが、仕事を探している側にとっては何のメリットもありません。

空求人を見極めるためにはいくつか注目すべきポイントがあるので、求人情報をチェックする際の参考にしてください。

いつ見ても求人広告を出している会社は要注意

企業の求人広告というのはずっと掲載していいわけではありません。

掲載する期限というものがあり、期限に関しては求人広告に記載されています。

そのため通常は掲載期間が終了すればその求人広告は掲載されなくなります。

ところが求人広告を長期的にチェックしていると常に同じ企業が求人募集をしているのを見かけることがあります。

常に人を募集していても募集する条件や部署などが変わっているのであれば本当に人員が不足していると考えられるので空広告ではありません。

しかし募集する条件が依然と全く変わらない場合は要注意です。

従業員数が少ないのに大量の人員を募集している

その企業の全社員が数十人なのに10人単位で人員を募集しているなど、企業の規模に見合わない求人をかけている広告も要注意です。

それらは本当は1人も人員を補充する気がないのにただ自分の会社に注目してもらいたいという目的で求人情報を掲載している可能性があります。

場合によっては本当にそれだけ人員が不足しているため募集しているということもありますが、それだけ一気に人員が不足する企業というのは基本的に労働環境があまりよくないことが多いので空求人でないにしても、応募するのは避けておいたほうが無難です。

「年齢不問・経験不問・資格不問」なのに書類選考をする

求人情報の条件の中にまれに年齢も経験も資格も問わないようなものがあります。

すべてに当てはまるわけではありませんがこのような条件で人員を募集している場合、そもそも履歴書を書いてもらうこと自体が無意味なので書類選考を飛ばしていきなり面接など採用試験を実施する場合がほとんどです。

こういった条件で人員を募集しているのに書類選考が必要だと書かれている企業は、初めから書類選考で不採用にするつもりで求人情報を掲載している可能性が高いです。

転職エージェントと空求人の関係性

転職希望者がよく利用するものとしては転職サイトのほかに転職エージェントがあります。

転職エージェントは転職サイトと比べると空求人が掲載される率は極めて低いです。

その理由として、転職エージェントが報酬を得るためのシステムがあります。

さきほど書いた通り、転職サイトの場合はサイトにアクセスしてもらったり、登録してもらったりすることによって報酬を得るシステムとなっています。

しかし、転職エージェントは転職エージェント側と企業側でそれぞれ個別に契約を結び、その企業に新しく人員が補充されることによってはじめて報酬が支払われます。

採用する気がまったくない求人を掲載したところで報酬が一切得られないので転職エージェント側にとっては全くメリットがありません。

以上のような理由から転職エージェント側が空求人を掲載することは極めて少ないのです。

そして転職エージェントは登録者側が企業を探すのではなく、転職エージェントの担当者が登録者のスキルや経歴などから転職先に適していると考えられる企業を紹介するといった流れになっています。

したがってサイト内にわざわざすべての求人広告を掲載する必要がないというのも転職エージェントに空求人が少ないとされている理由の1つです。

ただし、報酬に繋がる優秀な人材を確保するためサイト内にいくつか人気の企業の求人広告を掲載していることがあります。

これらの企業も優秀な人材を求めているのでそれに見合った能力の人でなければ見向きもされないでしょう。

人によっては空求人と思われることもあるかもしれませんが、企業が求めている能力を持っている人でなければエージェント側が紹介してきません。

そして企業側も希望する能力に見合った人が見つかれば即採用する意思はあるので、厳密に言えば空求人とはいえないでしょう。

空求人を避けたければ転職エージェントの利用も視野に

空求人は転職サイトにも企業側にもメリットがあるので転職サイトに掲載されている可能性があるのは事実です。

空求人かどうかは常に求人募集をかけているなど、いくつかのポイントをチェックすれば見破ることも可能ですが、空求人を極力避けたいのであれば転職エージェントの利用が有効です。