せっかく大変な思いをして資格を取得し栄養士になったものの、思っていたのと違う…こんなはずではなかった…との思いから転職を望んでいる方も多いのではないでしょうか?実は栄養士の方の離職率は全国的にみても高めだと言われています。
今回はそんな栄養士の方のために、転職事情やおすすめ転職サイトを紹介していきたいと思います。
栄養士の転職理由は?
栄養士の方の転職理由は主に「仕事量が多く体力的につらい…」「年収が思っていたよりも低い…」「人間関係」の3つがあげられます。
仕事量が多く体力的につらい…
やはり女性の多い職場ですので、年齢的にも育休・産休に入る方もいるでしょう。
そのため慢性的な人手不足に陥りがちです。
福利厚生の一環とはいえ、残された人たちは仕事量に苦労するでしょう。
そのうえ意外と肉体労働な面が多く、職場によっては常に動き回っていることもしばしば。
女性には少し辛いですよね。
年収が思っていたよりも少ない…
栄養士の平均年収はだいたい280~400万円程度といわれています。
上記のように体力的にもつらく、さらに年収も期待していたよりも低いとなるとモチベーションも下がってしまいますよね。
これ以上の年収を得ようと思ったら、管理栄養士の資格を取得するというのも一つの方法だとは思いますが、学校に通い、国家資格を取得するというのは、相当の覚悟と労力が必要となるでしょう。
ずばり人間関係
栄養士は女性の多い職場です。
男性にとっては、女性が多いとそれだけで職場が華やぐという方もいますが、女性にとっては必ずしもそうではありません。
女性が多く集まるとグループや派閥を作ってみたりするものです。
そこに属すかそうでないかは自由ですが、属していたほうが人間関係が丸く収まり仕事がしやすくなったりもします。
会話の内容にもとても気を遣います。
少しでも失言をしてしまうと、それを悪く受け取り根に持つ人もいるでしょう。
仕事にやりがいがあり、楽しかったとしても、人間関係がうまくいかないと、それだけでも十分に転職理由になり得るのです。
栄養士の転職先はいろいろ
では栄養士の転職先にはどのようなものがあるのでしょうか?あまりピンとこない人もいるかもしれませんが、意外にも多くの職場が選べるといえるでしょう。
まずは病院
もっとも思いつきやすいのが病院ですよね。
ですが病院で栄養指導をするには管理栄養士の資格が必要となるので、栄養士ではできません。
栄養士の病院での主な仕事は給食管理などです。
もしくは病棟での栄養指導であれば栄養士でも可能なため、こちらを目指してみても良いかもしれません。
学校
学校の給食の献立作成などを行うお仕事です。
近年の子どもたちの栄養の偏りや朝食欠食、そして孤食は社会問題にもなってきています。
またアレルギーを抱える子どもも増えてきているといわれています。
そういった子どもたちのために働くというのも、大きなやりがいになるといえるでしょう。
食品メーカーなどへの就職
栄養士としての知識を活かして、商品の企画や開発などをしていくというものです。
高齢化により健康への関心も高まっていく中で、健康食品やサプリなどの開発に挑戦してみるというのも面白いかもしれません。
また女性であれば食の知識を活かして化粧品等の開発に目を向けてみるのもいいかもしれません。
自分が開発したものが世にでるというのは栄養士に限らず、とてもやりがいのある仕事といえるでしょう。
介護施設
言わずもがな高齢化社会です。
今後ますます人手不足になってくることで就職もしやすいかもしれません。
介護施設のおじいちゃん、おばあちゃんたちにとっては食事は特に大切なものでしょう。
もちろん身体のためにもそうですが、楽しみといった意味でも欠かせないものです。
その季節ごとに合った、多彩な献立を提供していくことが大切になるでしょう。
福祉施設
福祉施設とひとまとめに言っても、その種類はさまざまです。
児童福祉施設や体が不自由な方のための社会福祉施設など多種多様な仕事が求められるでしょう、
児童福祉施設
主に給食の献立作成と調理指導がお仕事です。
直接調理を行う場合もあります。
また学校とは違い乳幼児が対象のため、ひとりずつの月齢に合わせた献立作りが必要となります。
保健所・保険センター
ピンときませんが、栄養士のお仕事はこちらでもあります。
献立の作成や管理というよりは、地域に密着して栄養についての知識を広めたり指導していく…という感じかもしれません。
保健所
主に、疾病予防・健康増進・食品衛生などを目的に、給食施設に向けた献立の指導や、栄養調査の実施、ほかにも地域に向けた健康に関するイベントなどにも関わっていきます。
保健センター
保健所よりも数が多くあり、保健所よりもさらに地域に密着したサービスを行っていきます。
妊婦さんへの栄養指導や専業主婦や高齢者などへの健康診断などを行い、子育て支援、生活習慣病予防などを保健師や看護師などと協力して行っていきます。
フードコーディネーター
飲食店のメニュー開発から、料理教室の運営まで、仕事内容は多岐にわたります。
煌びやかなイメージの人気な職業ですよね。
特に資格などがあるわけではありませんが、演出や企画などの仕事が多いことから、あらゆるセンスが必要となるでしょう。
独立開業してみる
まさかと思いますが、栄養士でも独立開業が可能です。
ただし栄養士としての経験や実力はもちろんのこと、経営の能力、営業能力、判断力など多くのことが必要となり、容易ではないでしょう。
主な仕事は企業での栄養指導・健康相談、食品会社へのアドバイスなど、好きなことができるというのが最大のメリットといえます。
フリーランス
独立開業とは少し異なり、会社にはせず自由に働く形です。
SNSなどでお料理をのせてみてもいいかもしれません。
在宅患者への訪問栄養指導や、食べさせ方のアドバイスなどをしたりなど、活躍の幅は広いと言えるでしょう。
会社ではないので、時間にあまり縛られないというのが最大のメリットです。
管理栄養士になればこんな仕事も…
もっとキャリアアップしたい栄養士の方は、管理栄養士を目指してみてもいいかもしれません。
すでに実務経験(学校で学んだ年数により異なります)が十分にある場合は、管理栄養士の国家資格を受けることができます。
管理栄養士の資格を取得すれば、年収も上がりやすく、希望する職種にも就きやすくなるかもしれません。
NST(栄養サポートチーム)
医師・看護師・薬剤師・理学療法士などのたくさんの職種の方と協力し、それぞれの知識を生かして栄養支援を行います。
日本の病院ではまだまだ少数のようですが、高齢化し人員不足が進む中、これから更に注目されていくでしょう。
ニュートリション・コーチ
スポーツ選手などの栄養管理を担当するお仕事です。
人気がとても高い職業で、またほかの職場よりも応募数が少ないため、この職業に就ける方はとても少ないと言えるでしょう。
病院での栄養指導
上記でも少しふれましたが、管理栄養士の資格がないと病院で栄養指導をすることができません。
管理栄養士が栄養指導することで診療報酬が請求できるようになります。
栄養士におすすめの転職サイト
ではどのように転職先を探せばいいのでしょうか。
やはりいちばんのおすすめは転職サイトを利用することです。
ここではいくつか、おすすめの転職サイトを紹介したいと思います。
栄養士のお仕事
名前のごとく、栄養士の方の転職に特化した求人サイトです。
病院・介護施設・保育園など多様な職場から選ぶことができます。
キャリアアドバイザーにより、希望に沿った求人を紹介してくれます。
面接の日程や諸々の連絡、また労働条件の交渉なども専任のキャリアアドバイザーにお任せできます。
特に費用は発生しません。
至れり尽くせりですね。
webサイトでも地域や就労条件などで検索することができます。
job Medley
2009年より運営開始したジョブメドレーですが、CMで見ることも多く会員数もどんどん増えてきている、注目の転職サイトです。
医療系の求人が多いですが、栄養士の求人も多く掲載しています。
会員登録しておくと掲載前の求人を受け取ったり、事業所から直接スカウトを受けたりすることもできるため、登録だけでもしておくことをおすすめします。
FOOD CAREER
こちらも栄養士の転職に特化した転職サイトです。
専任のコンサルタントがおり、いますぐの転職ではなくても相談に乗ってくれます。
今すぐではないけど、将来的に転職を考えているという方にはぴったりですね。
また栄養士の方に役立つコラムも無料で見ることができ、サイトを見るだけでも楽しいかもしれません。
転職エージェントを利用してみる
転職サイトだけでは不安…というかたは転職エージェントを利用してみてもいいかもしれません。
リクルートエージェント
言わずと知れた、日本最大手の転職エージェントですね。
日本でも有数の転職数を誇るため、栄養士のお仕事ももちろん多く保有しています。
doda
こちらも負けず劣らず大手の転職エージェントです。
面接力アップや、コミュニケーション術などの転職セミナーも開催しているので、こちらも合わせてチェックしてみてもいいかもしれません。
マイナビエージェント
こちらも大手の転職エージェントですね。
こちらは登録後に見れる求人が約8割なので、逆に登録しないとあまり意味がないかもしれませんが、その分、優良案件のみを厳選して紹介してくれるので安心です。
今後ますます必要な栄養士
日本は今後ますます高齢化の一途を辿っていくといわれています。
また病院ではなく在宅で療養したい高齢者も増えてきています。
そんな中、もっと健康に年をとっていくためにも栄養士の存在はますます欠かせないものになっていくと言えるでしょう。
また高齢者だけではなく、健康に対する関心がますます高まる中、学校や企業など色々な場で食に対しての関心も高まりつつあります。
これからますます需要の増える栄養士。
活躍の場が多くなるからこそ自分に合った職場をみつけ、力を発揮してほしいですね。